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2023.6 長谷川さんが採った夏キノコ（ヤマドリタケモドキ、カワリハツタケ、ムラサキヤマドリタケ、コガネヤマドリタケ、ヌメリスギタケモドキ、アイタケ、タマゴタケ、キタマゴタケ）
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ヌメリスギタケモドキ酸辣湯
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神経〆ブダイとナギナタコウジュのサラダ仕立て
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ホシエイ生レバー麻辣和え
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神経〆シュモクザメ紅油ソース
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花ズッキーニ コガネヤマドリタケ ムラサキヤマドリタケ 天然ウドの葉
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神経〆アカハタの広東蒸し タマゴタケ キタマゴタケ 空芯菜
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ヤマドリタケモドキ春巻き
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ホシエイとカワミドリの自家製豆板醤四川煮込み
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鱧（はも）とカワリハツタケのスープ
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すっぽんと山椒の小籠包
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クロモジで燻した鳩（はと）
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クロモジで燻した鳩（はと）
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土鍋ご飯（アカハタ頭、アシタバ、真竹、トコブシ、アイタケ、ジャスミンライス）
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土鍋ご飯（アカハタ頭、アシタバ、真竹、トコブシ、アイタケ、ジャスミンライス）
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天然きのこポルチーニ煮込み麺
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ピリ辛餡掛けタンメン（真竹、夏キノコ、イノシシ腕肉）
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天然クレソンのグラニテ
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3,503文字★
長谷川さん特別コース（15,000円、内税）滞在時間：約3時間50分（追加分を含む）
池之端（台東区）の古月や南国酒家で修業した芹澤卓司氏が腕を奮う同店（3.50）。
さかな人の長谷川大樹氏（以下「長谷川さん」と表記）から食材を仕入れており、
同じく長谷川さんから食材を仕入れる鎌倉北じま（4.25）のご主人が、
ポルチーニ系の夏キノコを使った「春巻き」や「煮込みそば」を絶賛していたのが訪問動機。
和製ポルチーニのヤマドリタケ（ヤマドリタケモドキやアカヤマドリタケなども含む）。
このキノコは凍結させて細胞を壊したほうがフワフワ食感に変質することもあって、
夏に限らず通年楽しむことが可能ではないかと思うのですが、
鎌倉北じまのご主人がおっしゃる通り春巻きや煮込みそばが「香りと旨味の爆弾」。
スペシャリテであろう春巻きと煮込みそばだけでも訪れる価値あるのですが、
15,000円ぐらいの時価で「長谷川さん特別コース」を（事前予約で）お願いすることも可能。
冒頭で申し上げた長谷川さんは魚介を神経〆する達人として高級レストラン御用達なのですが、
海の食材に限らず山の食材もご自身で採取するオールマイティーな食材調達人。
ヤマドリタケモドキ、カワリハツタケ、ムラサキヤマドリタケ、コガネヤマドリタケ、
ヌメリスギタケモドキ、アイタケ、タマゴタケ、キタマゴタケ、以上8種類の夏キノコ。
神経〆した魚介も含めて長谷川さんの食材がこれでもかと用意されていました。
そして厨師のヌーベルシノワ的な優しい味付けも好素材を引き立てます。
階段を上って2階へ（4人テーブル4卓と2人テーブル1卓、1階にも座席あって計24席）。
ご主人と奥さまの二人三脚でお店を切り盛り。
卓上には辛子とお酢が用意されています。
1人で利用することも可能で、我々の隣で長谷川さんが1人でお召し上がりになっていました。
何ということでしょう。
この日は長谷川さんの食材を長谷川さんの解説付きで楽しめるプレミアムシート。
4人で下記の通り飲み食いして、総額73,700円、1人あたり18,425円。
白牡丹（780円）白茶
客家 生姜（500ml ボトル 4,500円）中国黄酒
黄中皇10年（500ml ボトル 4,200円）中国黄酒
・長谷川さん特別コース（15,000円）
01.ヌメリスギタケモドキ酸辣湯
02.神経〆ブダイとナギナタコウジュのサラダ仕立て
03.ホシエイ生レバー麻辣和え
04.神経〆シュモクザメ紅油ソース
05.花ズッキーニ コガネヤマドリタケ ムラサキヤマドリタケ 天然ウドの葉
06.神経〆アカハタの広東蒸し タマゴタケ キタマゴタケ 空芯菜
07.ヤマドリタケモドキ春巻き
08.野生菊のお茶（生と乾燥の飲み比べ）
09.ホシエイとカワミドリの自家製豆板醤四川煮込み
10.鱧（はも）とカワリハツタケのスープ
11.すっぽんと山椒の小籠包
12.クロモジで燻した鳩（はと）
13.クロモジ茶
14.土鍋ご飯（アカハタ頭、アシタバ、真竹、トコブシ、アイタケ、ジャスミンライス）
追加：天然きのこポルチーニ煮込み麺
追加：ピリ辛餡掛けタンメン（真竹、夏キノコ、イノシシ腕肉）
15.天然クレソンのグラニテ
食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税です
【3.3】ヌメリスギタケモドキ酸辣湯
例えて言えばナメコのようにヌメッとしたヌメリスギタケモドキ。
カラフルな野菜を麺に見立て（小麦粉麺は不使用）冷製酸辣湯に。
キュッと酸味が強いのですが優しくて淡麗な味わい。
暑い時期なのでまずは酸っぱくて優しいスープで食欲を引き上げる構成でしょうか。
【3.6】神経〆ブダイとナギナタコウジュのサラダ仕立て
ナギナタコウジュはシソ科の植物で、香りが強いので薬味に。
夏のブダイは磯臭いようなイメージを持っていましたが、
長谷川さんの神経〆のおかげかナギナタコウジュのおかげかクリアーな味わいで臭みなし。
このクリアーな味わいを活かすためか非常に薄味。
ブダイの鱗もパリパリに揚げており食感のアクセントになっていました。
美味しいのですが卓上に塩があればもっと美味しくなった予感がします。
【4.3】ホシエイ生レバー麻辣和え
過去にエイのレバーを何度か食べたことあるのですが脂ギトギトでカニミソみたいでした。
それに対して長谷川さんのホシエイはレバーが非常にフレッシュで軽やか。
アンキモやカワハギの肝を思わせる濃厚な旨味を持ちながら脂が重くないのです。
日本人厨師らしく麻（マー）も辣（ラー）も穏やかで酸味が効いており食べやすい味付け。
レバ刺しがダメならホシエイのレバーを食べれば良いじゃない。
そんな風に思えるぐらい美味しいレバ刺しでした。
唯一の不満は1切れだけなこと、テンコ盛りにして貪りたいです。
【3.8】神経〆シュモクザメ紅油ソース
ハンマーヘッドシャークとも呼ばれるシュモクザメ。
中華料理店なのでフカヒレかと思いきや身のほうを紅油（ホンユ）ソースで。
サメはアンモニアが多いので腐りにくい反面、臭いが気になってしまうことが多いですが、
そこは長谷川さんの神経〆を施してあるので非常にクリアーな味わい。
白身魚のような口当たりですが、白身魚よりはサメ特有の弾力というか歯応えを感じます。
【3.9】花ズッキーニ コガネヤマドリタケ ムラサキヤマドリタケ 天然ウドの葉
おそらく豚の挽き肉やオイスターソースと炒めたのであろうキノコが美味しい。
コース序盤は薄味だった料理が中盤になると濃い味付けに変わってきます。
長谷川さんが採った天然ウドの香りも魅力的。
【4.0】神経〆アカハタの広東蒸し タマゴタケ キタマゴタケ 空芯菜
プリプリしたアカハタの身の火入れが良いです。
広東を思わせる醤油ベースの味付けも好み（コース序盤のような薄味ではないのです）。
この料理はキノコよりハタのほうが主役という印象。
【4.6】ヤマドリタケモドキ春巻き
噂通りの「旨味の爆弾」。
ポルチーニの人をダメにするような香りが春巻きに閉じ込められており、
口にすると鮮烈な香りと強烈な旨味が襲ってきて凄まじかったです。
【4.3】ホシエイとカワミドリの自家製豆板醤四川煮込み
スーパーマーケットでカスベとして売られているようなエイの身を四川の味付けで。
麻婆豆腐ならぬ麻婆カスベといった味わいで、
アニスを思わせるようなカワミドリ（これも長谷川さんが採取）の香りも蠱惑的。
スーパーマーケットのカスベを煮付けにすると臭みが気になったりするのですが、
長谷川さんのエイに限ってそんなことはなくてフワッと優しい味わいの身も軟骨も美味しい。
四川の濃厚な味付け、カワミドリの香りが、カスベを昇華させていました。
お米と一緒に食べても凄まじい満足度の高さになりそう。
【3.7】鱧（はも）とカワリハツタケのスープ
【3.7】すっぽんと山椒の小籠包
スープ系の料理は旨味より滋味を重視したような優しい味わい。
【4.0】クロモジで燻した鳩（はと）
使っている鳩はチャイナ産ですがソミュール（燻製液）にも燻製チップにもクロモジを使用。
ジューシーで香りも良くて美味しい。
【3.9】土鍋ご飯（アカハタ頭、アシタバ、真竹、トコブシ、アイタケ、ジャスミンライス）
毒々しい緑色だったアイタケも火を入れると普通の色に。
ジャスミンライスに複雑な旨味が加わって美味しい。
【4.7】天然きのこポルチーニ煮込み麺
メニューに「天然きのこポルチーニ煮込み麺（2,000円）」と記載されていました。
やや太い麺を鶏の毛湯（マオタン）とポルチーニで煮込んで、
汁がなくなるまで飛ばしているので「和えそば」のような仕上がりとなっています。
これまた春巻きに勝るとも劣らぬ旨味の爆弾で香りも凄まじいです。
ポルチーニの香りや旨味を吸い取った麺がもう魔性のような美味しさ。
都心のイタリアンで食べたアラカルト3,400円のポルチーニパスタを遙かに凌駕。
【4.0】ピリ辛餡掛けタンメン（真竹、夏キノコ、イノシシ腕肉）
タマゴタケやアカヤマドリタケといった夏キノコを使用。
餡掛けならではトロミの付いたスープに辛味も効いており美味しい。
フワフワに変質したイノシシ肉は、牛のハラミ肉を思わせるような味わいに。
【3.3】天然クレソンのグラニテ
わさびシャーベットといったイメージの、辛味と苦味で尖りまくりの挑戦的スイーツ。